君の世界に入りたい

しばらく同世代の人がたくさんいるところを避けていたからなのか前日から落ち着かず部屋やリビング、庭を行き来していた。それを見かねたのか、前から考えていたのかは分からないけれど

「度は入ってないけど周りの目が少しは気にならなくなるんじゃない?」

とお母さんが眼鏡を渡してくれた。
当日はそれをかけてやっとの思いで高校に到着したけれどやっぱり周りの視線は怖くてずっと俯き気味で歩いていた。

帰り際玄関で靴を履き替えていると、すごい勢いで人がぶつかってきた。

「…っすいません!!」
「俺の方こそ、ごめんなさい。そこから吹っ飛ばされちゃって…」

もう帰るだけだからと眼鏡を外していた僕はこのまま逃げようと、俯いたまま謝ったけれど思っていたより高い位置から声をかけられたので教員の方かと思って顔を上げると高校の物ではない制服を着た爽やかな顔立ちの恐らく同い年の人が立っていた。

その人は僕の顔を見て目を見開き「…綺麗だ」と呟いた。