君の世界に入りたい

リビングの扉を覗くと母さんとキッチンに立つ渡会の姿があった。料理でも教えてもらっているのだろうか。

「…おはよ」
「綾人くん!おはよう!」
「綾人あんた寝すぎよ〜真白くんなんて7時から起きてたんだから」

渡会早起きなんだな。

「ごめん、母さんこれ書いてほしい」
「…これ、承諾書?林間合宿の?」
「…うん」
「行くことにしたの?」
「先生には相談しておいたから、大丈夫かなって…あと渡会もいるし」
「そう、そうなのね。よかった」

母さんは涙目だったけれど嬉しそうに笑っていた。

「綾人くん!琴葉さんすごいんだよ、僕が知らない技術をたくさん知ってる!」

母さんが喜んでくれて良かったと浸っていると母さんの横から料理をしていた渡会が顔を出した。俺が寝ている間グイグイ行く母さんとぎこちない渡会の2人でキッチンに立っていた姿を想像するとおかしくて笑いが込み上げてきた。

「…ふっ」

中学以降週末がこんなに楽しかったの初めてかもしれない。