君の世界に入りたい

「渡会、部屋に荷物置きに行くか?」
「あ、うん!」
「晩ごはんまだ少しかかるから部屋でゆっくりしてなさい」
「ありがとうございます!」

部屋に上がろうとリビングから出るとちょうど事務所の方から父さんが帰ってきた。

「君が真白くん?」
「はい、お邪魔してます!」
「いらっしゃい、綾人と仲良くしてくれてありがとね」
「いえ!僕の方が仲良くしてもらってるので!」
「そっか!」

父さんは涙ぐみながらも精一杯の笑顔で、渡会に返事をしていた。

「温かい家族だね」
「まあね」
「部屋、ここ」
「失礼します」
「どうぞ」
「わあ!本がたくさん!」

緊張で強張っていた渡会の顔が俺の部屋に入った途端ほぐれた、落ち着いたみたいでよかったな。

「ごめんね、みんな結構グイグイ来るから疲れたでしょ」
「全然!むしろ楽しい!」
「…そっか」
「ねえいろいろ見てもいい?」

部屋の細部が気になるのか目を輝かせながら俺の顔を覗き込んできた。

上目遣いだと瞳がさらに綺麗に見えるんだな。