君の世界に入りたい

「お兄さん、似てるんだな」
「そうかな?」
「うん、雰囲気が似てたよ」
「そっか!」

嬉しそうに笑った。お兄さんのことが本当に好きなんだろうな。

お兄さんの家から目的の本屋さんまでは歩いて5分程度で思ったよりもすぐ到着した。

「ここだね!」

本が好きだとは聞いていなかったけれどいつもよりワクワクして見える。

「渡会、あんまりはしゃぐなよ。本屋なんだから」
「…見上くん、お兄ちゃんみたい」
「4人兄弟の長男です」
「そうだったね、あそう言えばどんな本読むの?」
「…恋愛小説、とか」
「へぇ!意外…いや、そうでもないかも」

誰にも聞かれたことのなかった読むジャンルについて、初めて口にした。
恋愛小説を読む男ってきもがられたりしないんだな。

「意外じゃないのか…」
「うん、何となく見上くんはロマンチストって感じ!」

ロマンチスト…渡会の世界にいる俺はそんな風に映っているのか。