君の世界に入りたい

「綾人、何かあった?」

いろいろぐるぐると考えていると母さんが料理の手を止め、ソファーに座る俺に話しかけてきた。

「え?何で?」
「母親の勘…?いつも以上に大人しいから」

母親の勘、って当たるもんなんだな。

「…今週末、友達と出かけてきても、いい?」
「いいに決まってるじゃない!!どこに行くの?あちょっと待ってね」

すごい勢いで了承してくれた母さんはその勢いのまま2階に上がり、財布を持って降りてきた。

「はいこれ、どうせ今月分のお小遣いは小説に費やしたんでしょう?」
「…うん、ありがとう」

お金を渡してくれた母さんはニヤニヤとうれしそうな顔をしながら俺の隣に座り、口を開いた。

「綾人に友達かあ。どんな子?」
「…面白い」
「面白い子なの?」
「うん、表情がコロコロ変わるんだ、見てて面白い」
「へぇー!素敵な子ねぇ!!どこに行くんだったっけ??」
「渡会って言うんだけど、渡会の両親今海外だから林間合宿の承諾書をお兄さんに書いてもらいにお兄さんに会いに一緒に行って近くの書店に一緒に行こうって」
「そうなのね!ところで私その林間合宿の承諾書っていうの知らないんだけど…?」