君の世界に入りたい

進学校ともなれば1日の課題がそれなりにあって、慣れるまでは読書はしばらく休みかもしれないと怖気付いたが実際やってみたらものの1時間で終わった。

課題が終わり、少し離れたところに置いていたスマホを開くと渡会から連絡が来ていた。

『両親大喜びだった!電話までかけてきちゃうくらい笑
 本当にありがとう、写真遅くなってごめんね』

横で話しているわけでもないのに、なぜかはしゃいでいる渡会が想像できた。
送られてきた写真はさっき俺が撮ったツーショットで、驚いた顔の渡会と満面の笑みの俺が写っていた。

…こんなに笑ったのいつぶりだろう。

『俺の方こそ一緒に撮ってくれてありがとう。
 あと、朝送ってくれた俺がぼかしてある方の写真ロック画面
 に設定してもいい?』

朝からずっと考えていたにも関わらず聞きそびれていたことをやっと聞くことができた。連絡先を交換しておくとこういう時に便利だなと思う。

渡会からの返事は30分もせずに届いた。

『あんな写真でよければいくらでもどこにでも設定していい 
 よ』

渡会はあんな写真、と卑下したけれど俺からしたら世界に数少ない渡会の世界と俺の世界が繋がっているものなのだからとても貴重なものだ。

『ありがとう、さっそくロック画面にしたよ』
『明日見せてね!』

嬉しそうな声が聞こえてくるようなそんな気がした。