その日から、私たちは意識して切り替えるようになった。
仕事中は、同僚として接する。必要以上に意識しない。
仕事が終わったら、素直に気持ちを出す。
とはいえ、意識しないようにしようとすると、余計に意識してしまう。
でも、少しずつ慣れてきた。
◇
木曜日の夜。
残業を終えて、朝倉と一緒に会社を出た。
朝倉が口を開いた。
「今日は、仕事中、大丈夫だった?」
「まあまあ。今までより、だいぶマシだった」
「よかった」
朝倉が、ほっとしたように笑った。
「俺、実は今日も何回か真帆のこと見ちゃってた」
「知ってるよ。視線、感じてたから」
「バレてたか」
「バレバレだよ」
二人で、笑った。
「でも、俺、今日、改めて思った」
「何を」
「仕事中、気になるのは、しょうがない。でも、それで仕事の質を落とすのは違う」
「うん」
「だから、もっと頑張ろうと思った。真帆の足を引っ張らないように」
その言葉が、嬉しかった。
朝倉は、私との関係を理由に仕事を疎かにしようとしない。
むしろ、もっと頑張ろうとしている。
「私も、頑張る。朝倉に負けないように」
「競争だな」
「切磋琢磨って言ってよ」
朝倉が、楽しそうに笑った。
「じゃあ、切磋琢磨しましょう。仕事でも、プライベートでも」
「うん」
駅に着いて、改札の前で立ち止まる。
「じゃあ、また明日」
手を振って、別れる。改札を抜けながら、思った。
仕事と恋愛。
両立するのは、難しい。でも、不可能じゃない。
二人で工夫して、乗り越えていける。
そう思えるようになっていた。
仕事中は、同僚として接する。必要以上に意識しない。
仕事が終わったら、素直に気持ちを出す。
とはいえ、意識しないようにしようとすると、余計に意識してしまう。
でも、少しずつ慣れてきた。
◇
木曜日の夜。
残業を終えて、朝倉と一緒に会社を出た。
朝倉が口を開いた。
「今日は、仕事中、大丈夫だった?」
「まあまあ。今までより、だいぶマシだった」
「よかった」
朝倉が、ほっとしたように笑った。
「俺、実は今日も何回か真帆のこと見ちゃってた」
「知ってるよ。視線、感じてたから」
「バレてたか」
「バレバレだよ」
二人で、笑った。
「でも、俺、今日、改めて思った」
「何を」
「仕事中、気になるのは、しょうがない。でも、それで仕事の質を落とすのは違う」
「うん」
「だから、もっと頑張ろうと思った。真帆の足を引っ張らないように」
その言葉が、嬉しかった。
朝倉は、私との関係を理由に仕事を疎かにしようとしない。
むしろ、もっと頑張ろうとしている。
「私も、頑張る。朝倉に負けないように」
「競争だな」
「切磋琢磨って言ってよ」
朝倉が、楽しそうに笑った。
「じゃあ、切磋琢磨しましょう。仕事でも、プライベートでも」
「うん」
駅に着いて、改札の前で立ち止まる。
「じゃあ、また明日」
手を振って、別れる。改札を抜けながら、思った。
仕事と恋愛。
両立するのは、難しい。でも、不可能じゃない。
二人で工夫して、乗り越えていける。
そう思えるようになっていた。
