打ち合わせが終わり、席に戻る。
夕方六時。そろそろ定時だ。
今日は、珍しく残業がない。
スケジュールに余裕ができて、早く帰れる日だった。
「結城さん」
帰り支度をしていると、朝倉が声をかけてきた。
「何」
「今日、このあと時間ありますか?」
心臓が跳ねる。
また、あの話だろうか。話し合いたいという、あの——
「……何の用」
「ちょっと、聞きたいことがあって。仕事のことで」
仕事のこと。
少し拍子抜けした。同時に、どこか安心した。
「いいよ。何?」
「ここじゃなくて、外で話せませんか。ちょっと長くなりそうなので」
外で。
二人きりで。
断る理由が、見つからなかった。
「……わかった。下のカフェでいい?」
「はい」
◇
ビルの一階にあるカフェ。
仕事終わりの時間帯で、そこそこ混んでいた。
窓際の席に向かい合って座る。
「で、聞きたいことって?」
コーヒーを啜りながら、私は切り出した。
朝倉が少し間を置いて、言った。
「編集の仕事を、長く続けていくコツって何ですか?」
「……コツ?」
「俺、営業企画からの異動で、正直、最初は不安だったんです。
畑違いだし、うまくやっていけるかどうか」
朝倉が、コーヒーカップを見つめながら話す。
「でも、結城さんと仕事をして、少し見えてきた気がするんです。
編集の面白さというか、やりがいというか」
「……そう」
「だから、ちゃんとやっていきたいと思って」
真剣な目。
仕事の話だった。本当に、仕事の話だった。
「コツ、ね……」
考える。
編集の仕事を続けるコツ。私自身、意識したことがあまりなかった。
夕方六時。そろそろ定時だ。
今日は、珍しく残業がない。
スケジュールに余裕ができて、早く帰れる日だった。
「結城さん」
帰り支度をしていると、朝倉が声をかけてきた。
「何」
「今日、このあと時間ありますか?」
心臓が跳ねる。
また、あの話だろうか。話し合いたいという、あの——
「……何の用」
「ちょっと、聞きたいことがあって。仕事のことで」
仕事のこと。
少し拍子抜けした。同時に、どこか安心した。
「いいよ。何?」
「ここじゃなくて、外で話せませんか。ちょっと長くなりそうなので」
外で。
二人きりで。
断る理由が、見つからなかった。
「……わかった。下のカフェでいい?」
「はい」
◇
ビルの一階にあるカフェ。
仕事終わりの時間帯で、そこそこ混んでいた。
窓際の席に向かい合って座る。
「で、聞きたいことって?」
コーヒーを啜りながら、私は切り出した。
朝倉が少し間を置いて、言った。
「編集の仕事を、長く続けていくコツって何ですか?」
「……コツ?」
「俺、営業企画からの異動で、正直、最初は不安だったんです。
畑違いだし、うまくやっていけるかどうか」
朝倉が、コーヒーカップを見つめながら話す。
「でも、結城さんと仕事をして、少し見えてきた気がするんです。
編集の面白さというか、やりがいというか」
「……そう」
「だから、ちゃんとやっていきたいと思って」
真剣な目。
仕事の話だった。本当に、仕事の話だった。
「コツ、ね……」
考える。
編集の仕事を続けるコツ。私自身、意識したことがあまりなかった。
