五年前は、こんな一面を知らなかった。
私は、朝倉の何を見ていたんだろう。
一人の人間として、ちゃんと見ていなかったんじゃないだろうか。
「五年前も、そうだったのかな」
弱さを見せられる相手。支え合える相手。
本当のパートナーって、そういうものなんじゃないだろうか。
当時、そうじゃなかった。
お互いに、本当の自分を見せていなかった。だから、すれ違った。
表面だけを見て、わかったつもりになっていた。本当は何も見えていなかったのに。
----今さら、そんなことに気づいても遅いけど。
電車が駅に着く。
ドアが開き、人が降りていく。
私も立ち上がり、ホームに降りた。
◇
家に帰って、シャワーを浴びる。
髪を乾かしながら、明日のことを考えた。
撮影は十時から。夕方までかかる予定。
朝倉と一日中一緒にいることになる。
不安と。それから----少しだけ、楽しみな気持ちがあった。
楽しみ?
私は、何を楽しみにしているんだろう。
朝倉の仕事ぶりを見るのが?
朝倉と一緒に過ごすのが?
わからない。自分の気持ちが、わからない。
ドライヤーを止めて、鏡を見た。
疲れた顔。目の下にクマがある。最近、ちゃんと眠れていない。
スマホが鳴った。
朝倉からのLINE新着。
『明日、よろしくお願いします。いい撮影にしましょう』
シンプルなメッセージ。
仕事の連絡、それだけ。私情は一切ない。
これが私が望んだ関係。同僚としての適切な距離。
......のはずだ。
指が、画面の上で迷う。
私は、朝倉の何を見ていたんだろう。
一人の人間として、ちゃんと見ていなかったんじゃないだろうか。
「五年前も、そうだったのかな」
弱さを見せられる相手。支え合える相手。
本当のパートナーって、そういうものなんじゃないだろうか。
当時、そうじゃなかった。
お互いに、本当の自分を見せていなかった。だから、すれ違った。
表面だけを見て、わかったつもりになっていた。本当は何も見えていなかったのに。
----今さら、そんなことに気づいても遅いけど。
電車が駅に着く。
ドアが開き、人が降りていく。
私も立ち上がり、ホームに降りた。
◇
家に帰って、シャワーを浴びる。
髪を乾かしながら、明日のことを考えた。
撮影は十時から。夕方までかかる予定。
朝倉と一日中一緒にいることになる。
不安と。それから----少しだけ、楽しみな気持ちがあった。
楽しみ?
私は、何を楽しみにしているんだろう。
朝倉の仕事ぶりを見るのが?
朝倉と一緒に過ごすのが?
わからない。自分の気持ちが、わからない。
ドライヤーを止めて、鏡を見た。
疲れた顔。目の下にクマがある。最近、ちゃんと眠れていない。
スマホが鳴った。
朝倉からのLINE新着。
『明日、よろしくお願いします。いい撮影にしましょう』
シンプルなメッセージ。
仕事の連絡、それだけ。私情は一切ない。
これが私が望んだ関係。同僚としての適切な距離。
......のはずだ。
指が、画面の上で迷う。
