無自覚天然の橘くんは危険すぎる


そう考えながら本来の目的を果たすべく、弾くのをやめた橘くんに緊張しながら近づく



「あの…橘くん」


ブシャァァッ


────え?



「うわ、………あれ、来栖さん?おはよう、どうしたの?」



コーラをあれだけ弾いておいて、開け方のミスで盛大に自身の制服にぶちまけた橘くんは、何事もなかったかのようにゆっくりとこちらを振り向いた



「お、おはよう…って、え、ええっ、大丈夫?」



制服がっ、とハンカチをポケットから出して何とか拭き取ろうとしたところを、橘くんに手を掴まれて阻止される



「あ、ごめんっ、勝手に」


女子嫌いの噂もあるし、仲良くないのに近づかれたくないよね


「あ、いや、そうじゃなくて……綺麗なハンカチが汚れちゃうでしょ。………俺、制服の替え持ってるから大丈夫」



あ、そっちなんだ……ていうか、制服の替え持ってきてる人あんま聞いたことないけれど、ちょっと変わった人?なのかな



「………来栖さんも飲み物買いに来たの?」



持っているハンカチをポケットに収めていると、コーラの蓋を閉めながら橘くんは聞いてきた



「あ、ううん、私は橘くんを探しにきたんだよ」


また忘れかけていた本題を思い出す


「え…………俺なんか悪いことしたっけ………?」


ずーんと見るからに暗くなった橘くんにびっくりしながら慌てて否定する



「違う違う!HR、もう始まってるよって伝えるために探しにきたの。体調崩して保健室にいるかもしれないから一応確認のため」