え、ええ、私橘くんと話したことないし、もしいたらいたで気まずいよ………
でも、申し訳なさそうに手を合わせる先生になにも言えない
「分かりました、見てきますねっ」
結局橘くん探しの旅に出ることになった
早く見つかりますように、と思い歩きながらまだHR中の他のクラスの目の前を静かに通り過ぎる
……いつもは賑やかな廊下でも、こんなに静かだと特別感あるな
ちょっと足取りを軽やかにして歩いていると、丁度保健室に通じる外廊下の扉の前まで来た
ここの扉ちょっと重いんだよね
よいしょ、と重い扉に体重をかけて開けるとギギギッと音が響く
少し肌寒い風と共に軽く響くポンポンっという音を耳が拾った
「?」
………何だろうこの音
ちらっと音のする方を見てみる
え、あれって橘くんじゃ…………
ちょうど目の先には、自動販売機の目の前のベンチにコーラのペットボトルを置いて、本体を回しながら爪で弾いている橘くんがいた
は、発見してしまった……保健室じゃないけど
当の本人は、コーラを弾くのに夢中になってこちらに気付いてないみたいだった
あれってなにしてるんだろ……あ、炭酸逃してるのかな?
あの橘くんが一生懸命炭酸逃してるって、ちょっと面白いな

