だからお食べ、と親戚のおばちゃんムーブをかまして卵焼きを勧める
「あ、つるつる滑っちゃうかもだから、この割り箸使ったほうが卵焼きさん旅に出ないかもだね!」
「!!確かに…」
そして私の渡した割り箸を使って今度こそ、とぱくりと卵焼きを食べる橘くん
「………落ちた卵焼きは俺に食われたくなかったのかも。最期くらい自分で選ばせてくれ、って思って………飛んだのかも」
何という想像力
橘くん、あなた保育士とか向いてるよ、きっと
もぐもぐ、とご飯を食べ続ける橘くんを見て、かわいいなぁと癒される
とっくに慣れた下の名前呼びに、橘くんを元気付ける日々
意外にも充実感を感じすぎていて、自分でもたまにびっくりする
「はい、胡桃ちゃん」
「?」
呼ばれて横を見ると口先にちょん、といちごが当てられる
「卵焼きくれたから……おすそわけ?」
お口開けて?と首を傾げる橘くんから、真正面からの美の暴力を受ける私の心臓は過去一速くなる
「ふぇ?!いいよいいよ!」
「んーん、おあいこにしたいから。はい、あーん」

