その時の神様なのか仏様なのか、はたまた全く別の高次元のお偉方なのか、正体不明のその人の姿かたちは最後まで一貫して視えなかったけど――
《…………》
唐突な、字の通りの魂の叫びを受けて、多分結構圧倒されちゃってたんだと思う。
今思えば、死後の世界で転生先を選べる展開なんて、マンガやゲームの中だけの話だと思っている人の方が多いはずだ。チャンスなんて言ってたし、全員が全員その機会を与えられるとも思えない。
(それに、なんか超今更だけど、結構大胆極まりない強烈なリクエストだった気がしないでもない……)
「……菜花ちゃん?おーい、菜花ちゃん?」
――!
そこでふいに、この麗しのゲームの世界という夢みたいな現実へとあたしを引き戻したのはほかでもない、我らが主人公・夕璃だ。
とにかく歩き出さなければ遅刻だからと、とりあえず二人並んで学校までの一本道を早歩きで進んでいたさ中だった。
「ごめん。夕璃、どうかした?」
「……っ!な、菜花ちゃんやっぱり今日、おかしい……」
「へ?」
心配そうな面持ちでこちらを覗き見る彼に向けて首を傾げるも、夕璃は恥ずかしそうに頬を染めるだけで、肝心な言葉の真意までは教えてくれない。
(おかしい、って。そんなに前の“あたし”と違うってこと?)
あたしが転生して目覚めるまでのこのキャラは一体どんな人物(設定)だったのだろうか。
(えーと、確か幼なじみの佐々宮菜花は――)
前世で夜通し遊びつくした、ゲームプレイ合計時間圧倒的No1の骨太ストーリーをどうにかこうにか記憶の中から掘り起こしてみる。
