(――ってちょっと待って!?)
こんなとんでもない状況の中、不思議と冷静に事態を認識できているあたしの脳裏に、それはそれは重大な記憶が巻き戻る。
(あたしが今こんなに急いで帰ってたのは――)
(“アレ”の最推しとのエンディング制覇のためでしょう!?!?)
「ちょ……っ、まっ――」
(せめて“推し”との濃厚キススチルだけでも回収を――!)
声にならない声を心の中で必死に叫びながら。
それでも抗いきれず、意識を手放す間際。
あたしの膨れ上がった未練が、きっと奇跡を呼び起こした。
《――いいでしょう。あなたに転生のチャンスを授けましょう》
真っ白で何も見えない視界で、
途切れゆく意識の片隅で、
誰かがそう――
あたしの耳元で、囁いた、気がした――。
