特にどこの高校に行きたいとかも、何になりたいとかも考えてなかった私は
『あ、あんた東坂学園の特待で入学してよ。そしたらお金かかんないし、そこ行った奴は出世約束されてるようなもんでしょ?ここまで育ててきた分将来ちゃんとお金入れてよ』
お母さんの役に将来立てるなら、立てたら私をまたみてくれるかもしれないという淡い期待を抱いて入学した
新入生代表挨拶も務め、高校一年生で生徒会活動にも勤しんだ
こんな顔のどこが良いのかは私は全くわからなかったけれど、父親譲りの容姿と先生からの評判、生徒会活動に勉学の成績も重なって学園でのあだ名は『天使ちゃん』になった
『天使ちゃん』は完璧な存在だ
勉強も
運動も
生徒会の雑務だって完璧にやり遂げる
そういったみんなから創り上げられた理想像をこなすために努力した
一方で家庭は貧しくなっていくばかり
だから学校に内緒でバイトを始めた
お給料日にはこっそりと引き抜いた必要最低限のお金以外は全てお母さんに取られたけれど、何とか生活をしていた
たまに、男の人と喧嘩して、別れて家に帰ってきた時はお母さんに殴られることもあったけれど、日常茶飯事だったから諦めもあった

