が、それを防ぐかのように顎に手を添えられ覗き込まれる
ひんやりとした手にびっくりして力が入る
「なんでこんなとこにいるの?『天使ちゃん』」
あ、ばれて、ました………
天使歌音、17歳、高校2年生
誰にも知られたくない秘密が、1番知られたくなかった人に知られてしまいました
◇ ◇ ◇
県内で1番を誇る偏差値に家柄の良い高校生が集まる「東坂学園」
そこに私は、特待生として入学した
父親は小さい頃に亡くなり、昔から母親と私の2人で小さいアパートに暮らしている
お父さんがいた時はまだお母さんは綺麗で、優しくて、自慢だった。でもお父さんが亡くなってからは、人が変わったように私に当たり散らし、アパートに何度も男を連れ込んでは私を遅くまで帰ってくるな、と追い出した
『あんたは顔と頭だけはあの男に似て良いよねぇ』
お母さんに少しでも認められたくて、少しでも私をみてもらいたくて、褒めてもらいたくて、小学校、中学校のテストの結果を見せに行っていた。そうするとお母さんは度々私にそう言った。
本当にお父さんに似て頭が良かったのかはわからないけれど、特に苦労することもなくテストでは良い点数を残せた。

