『どうやって?』
「へ……?」
『入れ替わりの仕組みもわかんないのに、どうやって戻るの?』
た、確かに。
最初の入れ替わりだって意識して入れ替わったわけじゃない。
勝手に元に戻ると思っていたから、いざ意識して入れ替わろうとするならどうやってというのは、まったく考えていなかった。
「うーん……とりあえず、念じてみる?」
だってほかに方法思い浮かばないもん。
心当たりは莉菜が落ち込んでいたことと、わたしがかわってあげられたらいいのにって思ったことくらいなんだから。
『そうだねぇ、とりあえずやってみようか』
なんだか心なしか、莉菜が乗り気じゃないように聞こえるんだけど、気のせいかな?
でもまずはやってみるしかない!
気持ちの問題かもしれないけど、鏡に手を添えてみる。
「じゃあ、いくよ」
これで現実の世界ともさよならか。
一日だけだったけど、本当に楽しかったな。
『「せぇのっっ!」』
わたしは【鏡の部屋】に戻るようにと、強く念じた。
また眩い光に包まれると思って目を閉じていたんだけど、一向にその気配がないから、そぉっと目を開いてみる。
そこは、現実の莉菜の部屋のままだった。
「あ、あれ!?」
机の卓上鏡を見れば、莉菜が首をすくめてお手上げってポーズしている。
どういうこと? 戻れないの?
「ど、どうしよう!?」
このままでいいわけがない。だってここは本来、莉菜がいるべき場所なんだから。
「も、もう一回やってみよう!」
そうやって何回も念じてみたけど、結果は同じ。わたしと莉菜が入れ替わることはなかった。
『もう、いいじゃん』
「え……?」
『今日はもう疲れたーっ。また明日試してもいいし、なんならもうしばらくこのままでもいいよ』
「ちょっと、このままでいいって……」
『この鏡はカメラ通話みたいで便利だね! これでお互いのこと話せるし。今日はもう寝よっ。おやすみーっ』
「り、莉菜!?」
卓上鏡から離れたらしい莉菜は、鏡の向こうに見えるわたしが普段いる場所のベッドに寝転んだ。
そうしたところで眠気が襲ってくるわけじゃないんだけどね。
わたしが【鏡の中】にいた時も、莉菜が眠った後に起きていてもつまらないから莉菜が眠るタイミングで同じように横になるだけ。
そうして莉菜が眠ると自然とわたしの意識も落ちるんだ。気づいたら朝になっている。
多分、眠りと目覚めの中間くらいになると、わたしの意識が目覚めていたんだと思う。
きっと今の莉菜も、こっちにいるわたしが眠らない限り眠気なんてないだろうに……。
疲れたって、そんな投げやりでいいの?
しかもしばらくこのままでもいいって、どういうこと?
わたしはリナではあるけれど、莉菜の心まではわからない。
見てて楽しそうとか、お母さんにきついこと言ってあとから悔やんでいるとか、そういうのは見て知っているからわかる部分もある。
それでも本当の心の中はわからないんだ。
莉菜が今、なにを考えているのか、まったくわからない。
卓上鏡の向こうにいるはずの莉菜に声をかけても反応ないし、卓上鏡も【鏡の部屋】を映すことはなかった。
無条件で向こうと繋がっているわけじゃないのか。
そういえば今日一日でも何回か鏡を見る機会があったのに、繋がったのは今だけだった。
【鏡の部屋】からはずっと現実の様子が見られたのにね。
「とりあえず、明日もう一回、挑戦してみよう」
ベッドに潜りながら早く【鏡の部屋】へ戻らなくちゃって思う一方で、まだこっちにいられるんだってことを、どこか嬉しく思ってしまっている自分がいる。
もう少し、もう少しだけ。この世界を楽しみたい。
「へ……?」
『入れ替わりの仕組みもわかんないのに、どうやって戻るの?』
た、確かに。
最初の入れ替わりだって意識して入れ替わったわけじゃない。
勝手に元に戻ると思っていたから、いざ意識して入れ替わろうとするならどうやってというのは、まったく考えていなかった。
「うーん……とりあえず、念じてみる?」
だってほかに方法思い浮かばないもん。
心当たりは莉菜が落ち込んでいたことと、わたしがかわってあげられたらいいのにって思ったことくらいなんだから。
『そうだねぇ、とりあえずやってみようか』
なんだか心なしか、莉菜が乗り気じゃないように聞こえるんだけど、気のせいかな?
でもまずはやってみるしかない!
気持ちの問題かもしれないけど、鏡に手を添えてみる。
「じゃあ、いくよ」
これで現実の世界ともさよならか。
一日だけだったけど、本当に楽しかったな。
『「せぇのっっ!」』
わたしは【鏡の部屋】に戻るようにと、強く念じた。
また眩い光に包まれると思って目を閉じていたんだけど、一向にその気配がないから、そぉっと目を開いてみる。
そこは、現実の莉菜の部屋のままだった。
「あ、あれ!?」
机の卓上鏡を見れば、莉菜が首をすくめてお手上げってポーズしている。
どういうこと? 戻れないの?
「ど、どうしよう!?」
このままでいいわけがない。だってここは本来、莉菜がいるべき場所なんだから。
「も、もう一回やってみよう!」
そうやって何回も念じてみたけど、結果は同じ。わたしと莉菜が入れ替わることはなかった。
『もう、いいじゃん』
「え……?」
『今日はもう疲れたーっ。また明日試してもいいし、なんならもうしばらくこのままでもいいよ』
「ちょっと、このままでいいって……」
『この鏡はカメラ通話みたいで便利だね! これでお互いのこと話せるし。今日はもう寝よっ。おやすみーっ』
「り、莉菜!?」
卓上鏡から離れたらしい莉菜は、鏡の向こうに見えるわたしが普段いる場所のベッドに寝転んだ。
そうしたところで眠気が襲ってくるわけじゃないんだけどね。
わたしが【鏡の中】にいた時も、莉菜が眠った後に起きていてもつまらないから莉菜が眠るタイミングで同じように横になるだけ。
そうして莉菜が眠ると自然とわたしの意識も落ちるんだ。気づいたら朝になっている。
多分、眠りと目覚めの中間くらいになると、わたしの意識が目覚めていたんだと思う。
きっと今の莉菜も、こっちにいるわたしが眠らない限り眠気なんてないだろうに……。
疲れたって、そんな投げやりでいいの?
しかもしばらくこのままでもいいって、どういうこと?
わたしはリナではあるけれど、莉菜の心まではわからない。
見てて楽しそうとか、お母さんにきついこと言ってあとから悔やんでいるとか、そういうのは見て知っているからわかる部分もある。
それでも本当の心の中はわからないんだ。
莉菜が今、なにを考えているのか、まったくわからない。
卓上鏡の向こうにいるはずの莉菜に声をかけても反応ないし、卓上鏡も【鏡の部屋】を映すことはなかった。
無条件で向こうと繋がっているわけじゃないのか。
そういえば今日一日でも何回か鏡を見る機会があったのに、繋がったのは今だけだった。
【鏡の部屋】からはずっと現実の様子が見られたのにね。
「とりあえず、明日もう一回、挑戦してみよう」
ベッドに潜りながら早く【鏡の部屋】へ戻らなくちゃって思う一方で、まだこっちにいられるんだってことを、どこか嬉しく思ってしまっている自分がいる。
もう少し、もう少しだけ。この世界を楽しみたい。

