あれから何度か
と言うか、毎日のように
アンディとの連絡を試みて
あれこれ腕時計をいじってみたが
チカチカと赤いライトが
点いたり消えたりするだけで
アンディからのメッセージを受信する気配はなく
残念ながらテンメッシュ星との交信は
不調に終わった
もういい加減諦めよう
じいちゃんは、すっかり元気を取り戻し
麗子さんの話では、GW明け、暖かくなった頃に軽井沢でのゴルフ三昧旅行を計画しているらしい
「庭に植えた苗も、すくすくと育ってるわ」
それを聞き、俺は安心した
少なくとも、アンディが持たせてくれたハーブは
試作品とは言え、効果は十分にあり
実のところ、母さんが麗子さんから
株分けしてもらったとかで、家庭菜園なるものを始めたため、家でもしょっちゅう例のハーブティーが出されるのだが、
渋々ながらそれを飲んでいるうちに
いや…そのせいかどうかはわからないが
なんだか俺まですこぶる健康…
母さんが怒り出す前に、
それを察知して姿を隠す
といったカンの良さは、果たして
このハーブティーのおかげなのだろうか?
じいちゃんと和と
テンメッシュの事は3人だけの秘密にしておこう
そう決めたものの、友達同士集まって
遊びに行く
なんて事があるたびに
不意に口をついて話してしまいそうになる
予備校で知り合った香那や未央らに
将馬や宗司と言ったクラスメイトたちとは
何度か遊びに行った
キャッキャと楽しそうに、推し活ネタや
それぞれの学校の名物教師の話題で盛り上がる中
俺の宇宙旅行の話を放り込んだら
みんなどんな顔をするかな
そんな想像をしては、ほくそ笑む
このままグループ交際のように続くのかな
と、思っていたら
いつの間にか、将馬と香那の友人の未央が
くっ付いていて俺を驚かせた
「え?将馬、真由美の事はどうした?」
「ああ、なんか、色々相談に乗ってるうちに
なんとなく」
人の気持ちは移ろいやすく
中学生同士の恋愛など、3日麻疹の
ようなもの
陸オジの決まり文句であり人生訓
たしかにそうだが、
そう簡単に忘れられない思いもある
例え住む場所が違っても、人が人である以上
脳裏に焼きついて離れない思い出
さて、俺にも将馬のように地球上…
に限らず、宇宙の無数の星のどこかに
お互い好きになる誰かが
現れるのかな?
◇◇◇◇
