麗子さんがテーブルの、それぞれの位置に
ティーカップを置いた
まずは、じいちゃんがそれをひと口
ゆっくり味わうように飲んで、そして
「…苦めだが、独特な香りだったのが
前のものより少し穏やかになって、飲みやすくなったな」
じいちゃんがそう言い
俺たちも恐る恐るカップを口に運ぶ
ゴクっ…
麗子さんが淹れたハーブティーは、
ちょうど飲み頃の熱さになっており
たしかに苦めではあるが、ミント系の爽やかな
香りが鼻を抜け、以前にテンメッシュで飲んだ
抹茶風味が混じり合った奇妙なお茶よりは
ずっと飲みやすかった
どうやら、これが試作品のお茶らしい
「あ〜、やっぱ歯磨き粉の味」
「だからミントフレーバーだろ」
「隼と和が、苗も見つけて来てくれたから
ちょっと庭に植えてくるわ
うまく根付くと良いのだけれど」
麗子さんはそう言って、園芸用の手袋をはめるとリビングの窓を開け、庭へと出ていく
じいちゃんは、その後ろ姿を見送りながら
「…これでまたしばらくは大丈夫だろう
2人には感謝だな」
と言った
普段あまり感情を表に出さないじいちゃんが
嬉しそうに笑ったので、俺もなんだか嬉しくなる
準備ナシ、行き当たりばったりの宇宙旅行だったが、どうやら、俺は
いや、俺《《たち》》は
アンディが望む、じいちゃんの健康、
上手くいけば長寿
そして三浦家の平和を守ったのだった
◇◇◇◇
