ランタンライトヒーローズ



俺は
「なかった、なんか、勘違いかも」

そもそも見たのは地球上では無いのだから
探し回るのは無意味なのだが

和は車をスタートさせると

「お前、ここまで来て、シレッと言うな!
俺だって今週末は、菜穂と…」

ん?菜穂?早瀬菜穂の事か?

「菜穂って、もしかして付き合ってんの?
てか、付き合い始めたとか?だとしたら
ウケるんだけど」
和の弱みを握れたならコレ幸い
俺が食いつくと

「…いや、そういうんじゃなくて、
彼女、東京の大学への進学を考えてんの
この時期、説明会だの学祭だのこっちであるから
見に来るって話、だからできたら俺に案内して
くれないかってさ、早瀬のおばちゃんに頼まれたら、断りづれーだろ
…つーか、マジでアテ無いの?
じいちゃんの体調、良くないのはたしか」

あからさまに、とってつけたような話をする和に
俺はニヤけ笑いを抑えながら
いや、いかん、
じいちゃんのハーブ収穫に集中!

「ん〜、もう一回考えてみる」

「頼むぞ、マジで」

菜穂との事、もっと突っ込んで色々聞きたかったが、どうやら和はそれ以上話す気がないらしく
俺たちは、その後無言で帰路に
ホテルに戻って駐車場に車を停め
部屋に戻ると和は早速スーパーで買って
きたばかりの地元食材を使った弁当をテーブルに
並べ、ポットのお湯を沸かし始めた
俺はその様子をベッドに横たわりながら見ていて

「やっぱ、主婦みてーだな、やまと」


「俺が物心つく頃には、うちもばーちゃん…
もとい、麗子さん以外、親は共働きしてたし、
実際のとこ、麗子さんもああいう人だから
やれボランティアだ町内会の集まりだって、
家にいない事も多かったからな
お茶淹れるくらいは、出来るってだけ
逆にお前は何もやんないの?家事系」

そう聞かれると、俺は家事と呼ばれるほどの事を
やったことがない
ただ、自分で使ったものは、きちんと自分で
元の場所に片付けておけってだけ

「皿洗いくらいはする」
若干話を盛りつつ答えると

「はぁん、」
和はさも、「疑わしい」と言った目で俺を見た
そして
「ま、そっちは彗さんが何でも出来るからな」

たしかに
我が家の場合は、父さんが基本在宅なので
主婦が2人いる感じもあり、和に言われるまでもなく、大抵の事は両親のどちらかがやってくれる
それが当たり前のように思っていたが
男子校に通ってる奴らの話を聞くと
クラブの合宿等に行けば、自分の使ったユニフォームは自分で洗濯する
つまり、普段母親にやってもらってることが
当たり前ではない、そういったことを地味に
教え込まれるのだと言う