「それがよくわからないのよ、ただ食欲がないし
ベッドからもなかなか起き上がれないんですって」
「そんな…食欲がないって…
もしかして今年の夏は暑かったから、夏バテ…
熱中症とか?」
「まぁ、それもあるかもしれないけど、
ゴルフに行く元気もないなんて
さすがに麗子さんも心配よね
隼はお昼まだよね?もうママたちは行くから、
自分で用意して
冷蔵庫に作り置きの…」
母さんがあれこれ指示を出しているが
耳に入らない
さっきから胸騒ぎがする
今、じいちゃんに会いに行かないと
後悔する気がした
俺は慌てて
「待ってよ、したら俺も行く!」
「だってあなた、今日は、この後テニススクールでしょ?」
「日曜日に振り替えてよ、俺だってじいちゃんに
会いたいし、心配だもん」
俺の言葉に、父さんは
「あ〜、隼がそういうんだから、まぁいいんじゃね
日曜日のスケジュールが、ちょっとキツくなるだけだ」
父さんはそう言うと、口元をかすかに緩めた
「…わかったわ、
でも、日曜日はちゃんとスイミングも行くのよ、
ほら、じゃあ早く隼も支度して」
