ランタンライトヒーローズ

俺は父さんの気が変わらぬうちにと(どうかすりゃ母さんと2人っきりでのんびり買い物したいに違いないから)バタバタ着替えを済ませると
ホテルのエントランスに配車してあったレンタカーに乗り込んだ

父さん、奮発したなぁ〜
高級外車じゃねーか
我が家の車は、おじいちゃんたちのとこと違い
母さん曰く、
身の丈にあった国産コンパクトカー
なので、俺のテンションが上がる


車の後部座席に乗り込むと革張りのシートに
深々と座る

「麗子さんたちは?」

俺がふと、ばあちゃん…麗子さんの事を思い出し

買い物、ばあちゃんも好きなんだから
一緒に誘えば良いのに
何の気なしに聞いたのだが
母さんは、心なしか表情を曇らせ

「麗子さんね、おじいちゃんのお加減があんまり良くないので、今日はホテルで過ごすって」

「えっ、そうなの?」

おじいちゃんの具合があまり良くないって
初めて聞いた
おじいちゃんは仕事は既にリタイアしているが、いつも若々しく、ゴルフが大好きで、石垣(こっち)でもゴルフ三昧だと思っていた
朝食の時もそんな様子は感じなかったけど、
しかし言われてみると、元より無口系なのに、
こちらに来てからはいつもに増して口数が少ない事に気がつく
それに以前は自分で運転してゴルフ場まで行っていたけど、最近は俺の父さんが運転して連れて行く事も多いと聞いて俺はちょっと心配になった

すると父さんが

「じいちゃんは年齢不詳のところがあるけど、それでもそれなりに歳だからな、…ま、日頃から体には気をつけているし、大した事は無いさ」

と言って車のエンジンをスタートさせた