会えないままな軍神夫からの殺人的な溺愛

 思わず、天を仰いで感謝したかった。これで、アーロンの命が繋げるかもしれない。

「サム! お願い助けて……アーロンが背後からヒルデガードに刺されてしまったの。ヒルデガードは彼が倒してくれたけれど、今重傷なのにどうしようもなくて……早く医者に連れて行かなくては!」

「なんと……ヒルデガードが……老体ですが、それならば儂にお任せください。今旦那様はどちらにいらっしゃいますか?」

 サムは一瞬呆気に取られていたようだったけれど、私から事情を聞いて、すぐに扉から出て来た。

「こっちよ!」

 私はサムをアーロンの元にまで導き、様子を見ていたらしい村人たちも、第三者たるサムが出て来てくれたことで顔を見せ始めていた。

「……旦那様……旦那様。サムでございます。ああ……なんとお労しい……」

 アーロンは自分で止血しようとしてか、着用していた上着を刺された場所に巻いていた。

「サムか……すまない。俺は今、歩けない……どうにかなるか?」