バイバイを書いた夜、君が来た ――あの夜、君の声が僕を繋ぎ止めた

スマホが震える。

「着いた」

短い一言。

一気に喉が渇いた。

周囲を見回す。
立ち上がろうとして、また座り直す。

どこ……?

目で追うだけなのに、
視界がやけに狭い。

そのとき――

肩に、軽い重み。

驚いて振り向くより早く、
すぐ近くで声がした。

「〇〇?」

その一言で、世界が静かになる。

返事をする前に、視界が合って。

――あ、だめだ。

視線を逸らそうとして、
無意識にメガネの位置を直す。
それすら、落ち着かない。

かっこよすぎる。

頭が真っ白になるのに、
胸の奥だけが、はっきりと分かる。

ほんとに、実在してる。

逃げ場のない距離。
でも、怖さはなかった。

ただ、嬉しさと、どうしようもないドキドキ。

言葉を探す前に、
ぱちぇが笑って言った。

「めっちゃ可愛い」

何も返せないまま、
顔が熱くなるのを感じた。

ここから先は、
もう想像じゃない。