バイバイを書いた夜、君が来た ――あの夜、君の声が僕を繋ぎ止めた

夜の通話は、
大体いつも同じところで終わる。

「そろそろ寝る?」

「んー、もうちょい」

 どちらかがそう言って、
 結局そのまま話し続けてしまう。

 その日も、特別な話題があったわけじゃない。

 配信のこと。
 視聴者から届いた何気ない言葉。
 最近二人でよくやっているゲームの話。

 ただ、空気が落ち着いていた。

 無理に盛り上げなくてもいい、
 沈黙が気まずくならない時間。

「〇〇さ」

 ぱちぇが、少し間を置いて口を開く。

「もしさ」

「うん?」

「このまま、ずっとだったらどうする?」

 軽い問いかけみたいな言い方だった。

「ずっと、って?」

「一緒に配信してさ。雑談して、ゲームして」

 少し笑ってから続ける。

「気づいたら、年取ってるやつ」

 僕は思わず笑った。

「急に未来すぎない?」

「そう?」

「うん」

 でも、ぱちぇの声は冗談だけじゃなかった。