バイバイを書いた夜、君が来た ――あの夜、君の声が僕を繋ぎ止めた

「ね。
 離れていく人のこと、全部背負わなくていいよ」

 ぱちぇは、少し驚いた顔で、
 それから、苦笑した。

「〇〇、前からそうだよね」

「なにが」

「残る人を、大事にしようって考え方」

 それは、
 最初から想定していたことだった。

 二人で並ぶと決めた時、
 全員がついてくるわけじゃないってことも。

「合わなかっただけだよ」

 そう言うと、
 ぱちぇはしばらく黙っていた。

 そして、
 小さく息を吐いて、言った。

「……もう少しだけ、
 俺もそう思えるようになる」

 それでよかった。

 完全に割り切れなくてもいい。
 時間が、必要なこともある。

 それから一ヶ月ほど経った頃。

 質問箱に届く言葉は、
 少しずつ、減っていった。

 完全になくなったわけじゃない。
 でも、
 鋭さは、薄れていった。

 配信を続ける僕たちは、
 いつの間にか、
 同じ景色を見ている時間が増えていた。

 並んでいる影は、
 まだ、完全に重なってはいない。

 それでも。

 離れずにいること。
 歩調を合わせようとすること。

 それだけで、
 今は十分だった。

 二人で決めた場所に、
 二人で立っている。

 それが、
 何よりの答えだった。