バイバイを書いた夜、君が来た ――あの夜、君の声が僕を繋ぎ止めた

夜、通話をつないだとき。

「ねえ、ぱちぇたん」

 名前を呼ぶと、
 少し遅れて返事が来た。

「なに?」

「質問箱さ……
 僕にも、ちょっと強いの来始めて」

 一瞬、空気が止まった。

 そして、
 ため息にも似た息が、スピーカー越しに漏れた。

「……そっか。
 ついに、〇〇のところにも来たか」

 その言い方で、
 すべて察してしまった。

「もしかして……」

 言葉を選んでいる間に、
 ぱちぇの方から、静かに続いた。

「俺のとこ、毎日来てる」

「……毎日?」

「うん。しかも、数通とかじゃない」

 軽く言っているようで、声は、少し硬かった。

「最初の頃から?」

「一緒に配信始めて、割とすぐ」

 胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。

「……なんで言ってくれなかったの」

「言ったらさ」

 一拍置いて。

「〇〇、気にするでしょ」

 否定できなかった。

「それに、
 〇〇が悪いって言われるより、
 俺が言われる方が、まだマシだと思ってた」

 その言葉が、
 やけに静かに落ちた。

「気にしなくていいよ」

 反射的に言っていた。

「二人で決めたことだし。
 数字とか、声とか、全部含めて」

 正論だったと思う。
 少なくとも、頭では。