バイバイを書いた夜、君が来た ――あの夜、君の声が僕を繋ぎ止めた

二人での配信が、いつの間にか当たり前になっていた。

 特別なことをしなくても、無理に盛り上げなくても、
 ただ話しているだけで時間が過ぎていく。

 それを「楽しい」と感じている自分がいることに、
 僕は少しだけ安堵していた。

 けれど、その感覚は、
 すべての人と共有できるものではなかった。

 配信の表では、何も起きていない。
 少なくとも、そう見えていた。

 コメント欄は穏やかで、
 直接的な言葉は、どこにも書かれていない。

 でも――
 匿名で送れる質問箱だけは、違った。

 最初は、気づかなかった。
 僕のところに届くものは、ほとんどが普通の質問か、
 応援とも取れる短い言葉ばかりだったから。

 だから、
 「最近ちょっと変な質問が来てさ」
 そう何気なく話題にしたとき、
 ぱちぇが一瞬だけ、言葉に詰まったことの意味を、
 その時は理解できなかった。

 沈黙は、ほんの数秒だった。

 けれど、
 その短さが逆に、重く感じられた。
通話越しなのに、空気が張りつく。

「……〇〇は、どんなの来た?」

 慎重に選ばれた声だった。