もう一度、あの空を飛べるなら

朝は嫌いだ。


外も部屋も明るくなって、嫌でも目が覚めてしまうから。


そして起きていると、あの時のことを思い出してしまうから。


「もう忘れたいのに」


いまだに忘れることができないあたしは、まだ卓球に未練があるようだ。


なんて思いたくはなかった。


自分の気持ちに気づかないふりをして、スマホを開いた。


すると、


「彩華?」


夜中に彩華からメッセージが来ていた。


あたしはすぐに既読をつけた。


『ごめん、寝落ちしちゃった。卓球辞めたんだ…。余計なこと聞いてごめんね』


もっと文句やら何やら言われるかと思ったが、意外と普通だった。


『おはよう。ううん、大丈夫』


すぐに文章を打って送信ボタンを押した。


「はぁ…」


朝からため息が出る。


まだ学校に行く気にはなれないし、家にいても暇だ。


学校に行ってる人には申し訳ないけど、たまにはお出かけをするのも有りかもしれない。


あたしはベッドから出て、お出かけの準備を始めた。