抱えきれないほどの愛に。

……彼は、ポーカーフェイスが得意だ。


きっと、彼女でさえも想像できないような表情を隠しているのだろう。


低い声も、穏やかで優しい声も、全て、すべて



彼女に向けられたはずのものなのに、それはどこか狂気に似ている。


彼は彼女を愛しすぎている。


それは、異常で異様で、酷く恐ろしいもの。


彼女は彼から逃げることなど許されるのだろうか。


そんな瞳だ。


一方、その後ろで不敵に笑う男の目には彼女の綺麗に靡く髪が映った。


”彼女が欲しい”



きっとそんな想いが芽生えたのは、二年前のあの日からだろう。


―――そう、あの日。彼は変わった。