抱えきれないほどの愛に。

「……キミ、ほんとに狂ってんね」


後ろで黙っていた水谷君が口を開いた。


「……その子のこと、そんなに大事なんだ?」


ようくんはうずくまったままの私を痛いくらいに抱きしめると、あろうことか膝裏と背中に手を回した。


膝裏と背中が……小さく、熱を持った。



「っ…降ろしてっ…ようくんっ!」


身体をよじって抵抗するけれど。


「……嫌い?俺のこと」




――嫌い、じゃない。


…でもっ、今のようくんは…嫌、だよ。


ようくんはそのまま私を持ったまま、歩き出した。


「…っようくん!降ろして!…私っ…嫌…!」


そういって精一杯の抵抗を見せるけれど、無の表情の奥に”何か”、隠されている気がして、怖くて、ようくんが恐ろしかった。