抱えきれないほどの愛に。

「他の男見ないでって言ったよね?二人きりにならないでって。目、合わせないで。同じ空気吸わないでって」


相変わらず前髪に隠された彼の表情は見えないけれど、その声は心なしか震えていて、怒りに満ちているように感じた。


「……約束、守ってくれなかったんだ?」


約束って…ようくんと約束なんて……。



―――「……ははっ。凄いね、キミの彼氏」


後ろから異常なほど軽快な声がして段々体が何故か震えてきた。


背筋がぞっとした。震えた。


あまりにも彼の抱きしめる力が強すぎて、強すぎて、彼の言葉が重すぎて、重すぎて。


後ろの首筋に一瞬痛みが走ったと思えば、歯が首筋に入り込むように強く噛まれた。