抱えきれないほどの愛に。

「…そ、そうっ…新しい恋…っ…」


そうだよ…何一つ間違ったこと言ってないんだから……


そう思ったのに、いつものクールな表情は一つも変わらずだった。



「………俺以外に恋したの」



「うんっ…そうなのっ!その人ね…すっごく優しいんだよ?この前の雨の日…満員電車で倒れそうになったときに……」



「……へぇ。その男、優しいんだ?」



「そうなの…!!その人ね…確か…水谷君って言って……」


つい嬉しくなった私は勢いのまま笑顔で話し続けてしまった。



「…葉音は俺の名前だけ呼んでればいいんだよ?



ねぇ……目の前にいるよ、俺」



声のトーンが一つ下がって低く、恐く、鼓膜にこだました。



「………」


それは……いつものようくんじゃなかった。


ようくんはこんな低い声なんて出さないし、いつも優しい笑顔で……いつも一緒に「帰ろう」って言ってくれる優しいようくん。