抱えきれないほどの愛に。

そう笑った顔が何故かようくんと重なって、胸が苦しくなった。


「ね、ちょっと図書室行かない?」


思いがけないそんな提案に、一瞬固まりながらも反射的に頷いてしまった。


すると、あろうことか私の手を掴むと少し強引に引っ張った。


だけど、その手は優しくて。


気のせいかもだし、勘違いかもしれないし、考えすぎかもしれない。


だけど、その歩幅は長い彼の足にしては、小さくて、心無しかゆっくりだった。


繋がれた右手が熱くて、手汗が噴き出してきた気がした。


ようやく図書室の前で手が離された。


久しぶりに入った図書室は何だか懐かしくて、また忘れたい思い出が浮かび上がっては消えた。


図書室は少し生ぬるく、暑かった。


その暑さでさえ、懐かしくて、愛おしいだなんて、私は相当重症だ。


「……懐かしい、でしょ?」