抱えきれないほどの愛に。

だからあの日、私は目の前に居た彼を必死に引き留めた。



……死のう、とする彼を必死に抱きしめた。


自分からは何も話さない彼が初めて私に話した言葉だった。



『…じゃあ、一緒に


生きてくれんの?


死ぬまで、


一緒に泣いてくれんの?


最期まで


囚われてくれるの?』



涙か、雨か。


濡れた顔で必死に引き留めた。


首を、



縦に振り続けた。



…聞こえなかった。


誰の声も、音も、雷の音も、車の音も。



全て。


世界は目の前だけのように、他が…



一瞬消えた―――。