抱えきれないほどの愛に。

「うん、まぁね」


意外な一面だ。


水谷君くらいかっこいい人でも、失恋することってあるんだなぁ。



「…そっかぁ」


窓のふちに肘をついて外を眺める姿は、爽やかで、画になるほど儚い。


「…凄く好きなんだよね。その人が居ないと生きていけないくらい」



ふと、おもむろに水谷君の瞳に私が映った。


ちょっと。…分かる気がする。


今までも、これからも。


この人しか、いないって。


この人よりも好きな人なんて現れないな、って。


いつの間にか隣にいることが当たり前になって。



気づけなかったことが、ほら。


今になって、ようやく気付く。


ああ、全然当たり前なんかじゃなかったなって。


胸が痛むたび、好きだなって思って。


切なくなる。