抱えきれないほどの愛に。

「…そっか」


ようくんしか、いないって思ってた。


今までも、これからも。



それが。



「最近余裕なさそうだったもんね」


こんなにも、一瞬で、些細なことで。


崩れ落ちてしまうなんて、思ってもみなかった。


…出会わなければ良かったのに。ってずっと思ってた。


でも、ほんとは。


出会えてよかった。


ここに入学してきてよかった。


貴方に出会えてよかった。


「……残酷だなぁ」


哀しさが混じった声が私の耳に痛いほど刺さった。


「分かるよ、篠原さんの気持ち」


放課後の静かな廊下に花の香りが混じった生ぬるい風が入ってきた。



「水谷君も失恋…、したの…?」