抱えきれないほどの愛に。

「はーちゃん~起きてー!」


高らかなママの声がして慌てて目を覚ます。


今、何時……。



――「……ねぇ…はーちゃん」


真剣な声がすぐ近くで発せられた。


一瞬驚きでのけぞってしまったけれど、笑って見せる。



「…ごめんっ…今、準備する…っ」


「何だか…やつれてる?っていうか…顔色もあんまりよくないし…」


「っううん…違うの…!何にも…ないし…そうっ、何にもないから…っ!」



明らかに動揺した早口で言いくるめると部屋を飛び出した。



不安そうにのぞき込んできたママの…目の下。


隈が出来ていた。


いつも笑顔で、大口開けて笑うママのそんな表情をあんなにしてしまったことが、悲しい。


ごめんなさい、って泣きたくなる。


…嘘だ。


自分が、嘘つきで……


結局何にも向き合えてないのが…、


理由もなく、ただただ虚しい。


そんな言葉じゃ表せない、ぐちゃぐちゃで、複雑な気持ち。


…全てをかき消すようにぐちゃぐちゃの顔に水をかけた。