抱えきれないほどの愛に。

―――ピチャン


雨の音も耳に入らないくらいに静かな空間にただ”一音”。


「…何で…いるの…」


「……葉音がどこに行くのか知りたかっただけ」


長い前髪のせいで表情も瞳も見えない。


雨の音は先ほどよりも強くなっているはずなのに、おかしいくらいに



異常なくらいに


ようくんの声がはっきりと耳に届く。


「もう、やめて…って何度も…っ」


「何を?」


「…別れた、でしょっ…もう私に、関わらないで!っ…」


分かってない。


ようくんも…私のこと、



何にも…っ知らないでしょう。


私は…っ


ようくんのこと…



何一つ、分かってない…っ



「ははっ……



ねぇ、誰と間違ってるの?