抱えきれないほどの愛に。

え…水谷君はどこに……


この辺なのかな、


私の最寄り駅、なんで知ってるんだろう…。


ぼんやりとそんなことを考えているといつの間にか電話は切れていた。


何かあるのかもしれないし…待たすのは良くない…!


早く準備していかなきゃ…。


ゆるっとしたワンピースに白のコートを羽織ったシンプルなコーデ。


スマホが使えないため、ママへの置手紙を残したまま玄関でレインブーツに履き替えた。


靴箱の上に乱雑に置かれた鍵。


一緒に絡まっているのは、ようくんとの



ペアリングキーホルダー。


もう取ろうって思ってたのに…まだ取ってなかったな…。


忘れたいのに、


もう、終わったはずなのに。


ようくんと作った思い出一つ一つが脳内に張り付くように消えてくれない。


……いや、消したいわけじゃ、ない。


…消せない…?


じゃあ…


…消したくない、のかな。