「そんなことをしなくても――特別な能力があってもなくても、アンジュはアンジュだ。だからさっきみたいに『これしかない』だなんて悲しいことは言わないでほしい。僕はアンジュの素敵なところをたくさん知っている。――素直で、とても純粋で、誰かを疑うことなんて考えもしなくて、だからこそすごく傷つきやすいってこと。不器用で、寂しがりやで、それから困っている誰かを放っておけない優しい人なんだって」
「ミゲル様……」
オーガストに『都合のいい女』と言われた時から、アンジュは自分を完全に見失っていた。彼から贈られてきた空っぽの『愛している』の言葉を思い出し、一体どうして、自分のどこに愛される要素があったのだろうと自問自答を繰り返してきた。
けれど、ミゲルの言うことが本当ならば――少しは自分に自信を持ってもいいのだろうか?
「僕は君のことが好きだから……君にも自分自身を好きでいてほしい。誰かの都合で動くんじゃなく、君自身の意思で、好きなように生きていいんだよ」
「好きなように……」
言葉が、ぬくもりが、アンジュの心に優しく染み込んでいく。
「そうですね。だったらあたしは、ミゲル様が――ミゲル様の大事な人を助けられたら嬉しいから、自分の能力を使いたいです。どうか、あたしにやらせてください」
もう一度。今度は誰かのためでなく、きちんと自分の意思で。
アンジュの気持ちが伝わったのだろう。ミゲルは「わかった」と嬉しそうに笑った。
「ミゲル様……」
オーガストに『都合のいい女』と言われた時から、アンジュは自分を完全に見失っていた。彼から贈られてきた空っぽの『愛している』の言葉を思い出し、一体どうして、自分のどこに愛される要素があったのだろうと自問自答を繰り返してきた。
けれど、ミゲルの言うことが本当ならば――少しは自分に自信を持ってもいいのだろうか?
「僕は君のことが好きだから……君にも自分自身を好きでいてほしい。誰かの都合で動くんじゃなく、君自身の意思で、好きなように生きていいんだよ」
「好きなように……」
言葉が、ぬくもりが、アンジュの心に優しく染み込んでいく。
「そうですね。だったらあたしは、ミゲル様が――ミゲル様の大事な人を助けられたら嬉しいから、自分の能力を使いたいです。どうか、あたしにやらせてください」
もう一度。今度は誰かのためでなく、きちんと自分の意思で。
アンジュの気持ちが伝わったのだろう。ミゲルは「わかった」と嬉しそうに笑った。



