ユイはカザン・カードをめくるMathewを見つめる。
Mathewが手にしているカードは「8」だ。
ユイの視線を追ってミカゲもMathewが持つカードを見つめる。
「あれは君のこと」
「……「8」が? どうして?」
ミカゲの視線がユイの薄くなった右手の印に向けられる。
薄く出たり濃く出たり、ユイの右手の印は生きているかのように現れる。
「この印を僕らはミシルシと呼ぶけど、これは“希望”を示す「8」だからさ」
右手のミシルシ。
それが「8」。
その意味は、“無限の可能性”。
ミカゲによるとこのミシルシにはふたつの「2」とふたつの「4」が組み合わさっているらしい。
それを紐解くと――。
「12」という“希望”を意味する数字になる、とミカゲは告げた。
「ミシルシを持つ女性を、女王と呼ぶ。ミシルシはただのマーキングに過ぎないけど、守護者を導く存在だと言われている」
”世界の守護者はこのミシルシの女王と出会うために、観測を続けているのかもしれない”と、
ミカゲは呟く。
あの3月15日、AIコアに何もないはずのルシー・フェルドが何故か自分のそばにいた。
当時は左手にあったミシルシ。
これがただのマーキングであるなら、それは何のために?
否。誰のためのものなのか。
――答えはもう出ていた。
「ミシルシ……私が女王ってことよね? ならこの女王って一体なんなの……」
「さあね。例えば君にしかない何かがあるとかじゃないかな」
それを聞いてユイはふと思った。
……因子。特異な自分の因子が何か関係しているのではないかと。
ユイが自分の因子について、簡単にミカゲに説明する。
マイナスを抱えた中性因子。環境に応じて変化した特異な因子だ。
ところがミカゲは既に知っている様な様子を見せた。
「8」は“全ての始まり”の象徴である「0」を二つ抱えている。
これが二つ重なることで“無限”になるという。
「……だから私はいつも失い続けるの?」
その問いにミカゲは答えないが、逸らした視線は肯定していた。
(失い続けるのが私の因果だというなら、何が最後に残るというのだろう)
細いチェーンで首から下げているヒロトのファミリー・リングに触れる。
指に嵌められないけれどお守りにしたくて身に着けてる。
ヒロトがたったひとつ遺した言葉が心に響く。
『ずっと君のそばにいると誓う』
それはヒロトの言葉。
どうしてその言葉が響くのか、答えはもうわかっている。
分かっていてもユイは否定することしか出来ない。
否定をやめてしまったら。
最後に残るのは希望さえも残らない永遠の「8」だからだ。
Mathewが手にしているカードは「8」だ。
ユイの視線を追ってミカゲもMathewが持つカードを見つめる。
「あれは君のこと」
「……「8」が? どうして?」
ミカゲの視線がユイの薄くなった右手の印に向けられる。
薄く出たり濃く出たり、ユイの右手の印は生きているかのように現れる。
「この印を僕らはミシルシと呼ぶけど、これは“希望”を示す「8」だからさ」
右手のミシルシ。
それが「8」。
その意味は、“無限の可能性”。
ミカゲによるとこのミシルシにはふたつの「2」とふたつの「4」が組み合わさっているらしい。
それを紐解くと――。
「12」という“希望”を意味する数字になる、とミカゲは告げた。
「ミシルシを持つ女性を、女王と呼ぶ。ミシルシはただのマーキングに過ぎないけど、守護者を導く存在だと言われている」
”世界の守護者はこのミシルシの女王と出会うために、観測を続けているのかもしれない”と、
ミカゲは呟く。
あの3月15日、AIコアに何もないはずのルシー・フェルドが何故か自分のそばにいた。
当時は左手にあったミシルシ。
これがただのマーキングであるなら、それは何のために?
否。誰のためのものなのか。
――答えはもう出ていた。
「ミシルシ……私が女王ってことよね? ならこの女王って一体なんなの……」
「さあね。例えば君にしかない何かがあるとかじゃないかな」
それを聞いてユイはふと思った。
……因子。特異な自分の因子が何か関係しているのではないかと。
ユイが自分の因子について、簡単にミカゲに説明する。
マイナスを抱えた中性因子。環境に応じて変化した特異な因子だ。
ところがミカゲは既に知っている様な様子を見せた。
「8」は“全ての始まり”の象徴である「0」を二つ抱えている。
これが二つ重なることで“無限”になるという。
「……だから私はいつも失い続けるの?」
その問いにミカゲは答えないが、逸らした視線は肯定していた。
(失い続けるのが私の因果だというなら、何が最後に残るというのだろう)
細いチェーンで首から下げているヒロトのファミリー・リングに触れる。
指に嵌められないけれどお守りにしたくて身に着けてる。
ヒロトがたったひとつ遺した言葉が心に響く。
『ずっと君のそばにいると誓う』
それはヒロトの言葉。
どうしてその言葉が響くのか、答えはもうわかっている。
分かっていてもユイは否定することしか出来ない。
否定をやめてしまったら。
最後に残るのは希望さえも残らない永遠の「8」だからだ。
