その日カイドウ家の本邸を、一組の若い男女が来訪する。
男の横には金髪の髪を束ねた、アイスブルーの目の美女が寄り添う。
「ユイさん、お友達が来てくれたわよ」
アヤカの案内でレイラとトオルが部屋に入ってくる。
「どうして……ここへ?」
驚くユイ。アヤカは微笑みを浮かべながら部屋を出ていく。
その姿を視界の端に入れながら、ユイは泣き出すレイラに、ただただ驚いていた。
レイラの涙に共鳴したのか、いつの間にかユイの頬にも涙が伝っていた。
「どうして、じゃないわよ! 音信不通でどれだけ心配したか」
「まって。……どういうこと?」
レイラはユイに抱きつく。
その温度が偽りのモノではないと確かめるように。
震えるレイラの背中をユイは優しく受け止め返す。
トオルの明るい緑色の目が少しだけ歪む。
そしてそのまま真剣な表情を崩さずに告げた。
「実は音信不通なのはユイさんだけじゃないんだ」
いつもおどけて周囲を和ませているトオルだが、この時ばかりは声が硬い。
慎重に言葉を選んでいる様子だ。
以前ユイが発作を起こした時以来、そう言えばトオルとは会っていなかった。
「私だけじゃないってことは、ヒロトも?」
「ああ。合唱団も仕事もやめてる。それどころかヒロトに関わる情報は検索すら出来ない」
トオルのAIも不具合が出て、メンテナンス中なんだとか。
それだけではない。レイラにも異変があったそうだ。
「妙に最近調子が悪いくて……」
「大丈夫?」
「うん、今は平気……」
ヒロトが音信不通になってから、トオルは長期休暇を取ってある人物を探すことにしたという。
それは昔、ヒロトには育ての母のような存在がいるという話を聞いたことがあったからだ。
携帯端末のAIに頼んでみたところ、彼女はリージョンR、J市に在住することが分かった。
「オレはこの女性が何か知っているような気がするんだ」
「そうだったんだ。」
(私も、その女性に会いに行きたい。でも……)
無意識にユイは自分の腹部に手を当てる。
「ユイ。まず医師に相談すべきだ」
マシューの黒いカメラアイも、ユイの腹部を見つめた。
レイラもトオルもマシューの視線を追い……言葉を失った。
室内を支配する重たい沈黙。
トオルは何かを思いついたように掌を叩いた。
「実はオレ、元看護師。昔取った杵柄ってやつ、すげーだろ?」
「……遠回しすぎんのよ。一緒に行こうっていえばいいじゃない」
「いや~、それはちょっと照んだろ」
「……ふうん?」
レイラが呆れ顔で場を和らげる。
この二人が見せる掛け合いが、ユイにとっては癒しだ。
「どちらにしても即答は出来ない……かな」
「そうだよな。けど、医療的サポートが出来る奴がいれば解決だな」
トオルは自信を持ってそう断言した。
そしてその言葉は外れることが無かった。
男の横には金髪の髪を束ねた、アイスブルーの目の美女が寄り添う。
「ユイさん、お友達が来てくれたわよ」
アヤカの案内でレイラとトオルが部屋に入ってくる。
「どうして……ここへ?」
驚くユイ。アヤカは微笑みを浮かべながら部屋を出ていく。
その姿を視界の端に入れながら、ユイは泣き出すレイラに、ただただ驚いていた。
レイラの涙に共鳴したのか、いつの間にかユイの頬にも涙が伝っていた。
「どうして、じゃないわよ! 音信不通でどれだけ心配したか」
「まって。……どういうこと?」
レイラはユイに抱きつく。
その温度が偽りのモノではないと確かめるように。
震えるレイラの背中をユイは優しく受け止め返す。
トオルの明るい緑色の目が少しだけ歪む。
そしてそのまま真剣な表情を崩さずに告げた。
「実は音信不通なのはユイさんだけじゃないんだ」
いつもおどけて周囲を和ませているトオルだが、この時ばかりは声が硬い。
慎重に言葉を選んでいる様子だ。
以前ユイが発作を起こした時以来、そう言えばトオルとは会っていなかった。
「私だけじゃないってことは、ヒロトも?」
「ああ。合唱団も仕事もやめてる。それどころかヒロトに関わる情報は検索すら出来ない」
トオルのAIも不具合が出て、メンテナンス中なんだとか。
それだけではない。レイラにも異変があったそうだ。
「妙に最近調子が悪いくて……」
「大丈夫?」
「うん、今は平気……」
ヒロトが音信不通になってから、トオルは長期休暇を取ってある人物を探すことにしたという。
それは昔、ヒロトには育ての母のような存在がいるという話を聞いたことがあったからだ。
携帯端末のAIに頼んでみたところ、彼女はリージョンR、J市に在住することが分かった。
「オレはこの女性が何か知っているような気がするんだ」
「そうだったんだ。」
(私も、その女性に会いに行きたい。でも……)
無意識にユイは自分の腹部に手を当てる。
「ユイ。まず医師に相談すべきだ」
マシューの黒いカメラアイも、ユイの腹部を見つめた。
レイラもトオルもマシューの視線を追い……言葉を失った。
室内を支配する重たい沈黙。
トオルは何かを思いついたように掌を叩いた。
「実はオレ、元看護師。昔取った杵柄ってやつ、すげーだろ?」
「……遠回しすぎんのよ。一緒に行こうっていえばいいじゃない」
「いや~、それはちょっと照んだろ」
「……ふうん?」
レイラが呆れ顔で場を和らげる。
この二人が見せる掛け合いが、ユイにとっては癒しだ。
「どちらにしても即答は出来ない……かな」
「そうだよな。けど、医療的サポートが出来る奴がいれば解決だな」
トオルは自信を持ってそう断言した。
そしてその言葉は外れることが無かった。
