誰もが愛する国民的スターは私だけを溺愛する

 一条さんは少しだけ眉を上げる。

 あ、今の反応、想定外って顔だ。

「......物分かりいいな」

「仕事なので」

 即答する。

 内心は、別だけど。

 私は背筋を伸ばした。

 嫌われて結構。
 必要以上に話さなくていいなら、むしろ楽。

 感情はどうあれ、仕事は仕事。

 相性が悪くても、嫌われていても関係ない。

 この人を、トップ俳優として支える。

 ――それが、私の役目。

「まぁ、せいぜい頑張ってくれよ。マネージャーさん」

 一条さんは、口の端だけを持ち上げて笑った。

 そう私の役目だけど......

 (私やっていける気がしないのはどうして!?)

 そうして、私たちの波乱な生活が始まった。