誰もが愛する国民的スターは私だけを溺愛する

 (この人、全然違くない? まさか、あれ全部キャラ作りだったの……?)

「そんなつもりはなかったんだが……」

 そう言ってにこりと笑いながら続ける。

「仕事とプライベート、ごっちゃにされるの困るんだ」

「ご心配なく」

 声が低くなりすぎないように、意識して言う。

「私はマネージャーとして来ています。プライベートに踏み込むつもりはありませんから」

 一条さんは、少しだけ目を細めた。

「……キャラ作り、徹底していらっしゃるんですね」

 我ながら、ちょっと意地悪な言い方だったと思う。

 一条さんは一瞬だけ目を瞬かせてから、口の端を上げた。

「仕事だからな」

 あっさりした返事。

「求められてるものは、ちゃんと演じる」

 その言い方が、やけに割り切っていた。

「もうちょっとムキになるとでも思ったか?」

 そう言われて、図星で言葉に詰まる。

「別に隠してるつもりもない」

 一条さんは肩をすくめる。

 知りたくなかったことを、知ってしまった気分だった。