十一月。
ここは、いすみと一緒にこそこそと工作をしていた。
しんいちには内緒。誕生日のカードだ。
「パパに、ないしょだよ」
「うん。声、小さくね」
「ないしょだよー!」
「……大きい!」
案の定、しんいちは廊下で足を止めた気配を残し、わざと遠回りして戻っていった。
気づいてる。絶対気づいてる。
でも、気づかないフリをしてくれるのが、しんいちのいいところだ。
誕生日当日。
夕飯は、しんいちの好きなハンバーグ。
ここがろうそくに火をつける役を主張し、いすみが緊張し、しんいちが「安全第一」と言う。
「ふーってしていい?」
「どうぞ、社長」
しんいちが言うと、ここは胸を張る。
「しゃちょう、ふー!」
火が消え、拍手が起きる。
カードを渡すと、しんいちは読みながら目尻を下げた。
「“パパ、いつもおしごとありがとう。ここはパパがだいすきです”」
声が少し震える。
ここが照れて、いすみの後ろに隠れる。
「…パパも大好きだ」
しんいちはここを抱き上げて、ぐるりと回した。
ここが笑い、いすみも笑う。
家族の誕生日は、誰か一人のための日に見えて、実はみんなの心が温まる日だ。
ここは、いすみと一緒にこそこそと工作をしていた。
しんいちには内緒。誕生日のカードだ。
「パパに、ないしょだよ」
「うん。声、小さくね」
「ないしょだよー!」
「……大きい!」
案の定、しんいちは廊下で足を止めた気配を残し、わざと遠回りして戻っていった。
気づいてる。絶対気づいてる。
でも、気づかないフリをしてくれるのが、しんいちのいいところだ。
誕生日当日。
夕飯は、しんいちの好きなハンバーグ。
ここがろうそくに火をつける役を主張し、いすみが緊張し、しんいちが「安全第一」と言う。
「ふーってしていい?」
「どうぞ、社長」
しんいちが言うと、ここは胸を張る。
「しゃちょう、ふー!」
火が消え、拍手が起きる。
カードを渡すと、しんいちは読みながら目尻を下げた。
「“パパ、いつもおしごとありがとう。ここはパパがだいすきです”」
声が少し震える。
ここが照れて、いすみの後ろに隠れる。
「…パパも大好きだ」
しんいちはここを抱き上げて、ぐるりと回した。
ここが笑い、いすみも笑う。
家族の誕生日は、誰か一人のための日に見えて、実はみんなの心が温まる日だ。
