夏空とヴァンパイア





 体育の時間に晶が倒れたのは、自然な流れといえば言えなくもなかった。


 晶は、この6年間、血を飲んでいなかった。
 頭痛や吐き気は薬で誤魔化して、それでもいつも、普通に学校に通っていた。


 リレーで走っている最中、わ、と吐き気が来て、頭がぐらりとした時にはもう遅かった。

 医務室に運ばれた晶を採血して、先生は珍しい病気────患者をヴァンパイアと呼ぶ、人の血を飲まなければ死んでしまう病気を、晶に見つけたのだった。


「ずっと血を飲んでいなかったようですね」


 医務室の先生に理由を聞かれた晶は、ぽつりぽつりと言葉少なに血を飲むのが苦手なことを話した。