夏空とヴァンパイア




 教室に着いてから、晶は自分の席で本を開いた。

 じんじんと疼くような頭痛がして、内容が頭に入ってこない。

 痛みは永遠に続いて取れない気がした。


 机に突っ伏していると、腕の中で、ふいに視界が影った。


「こら」


 コツンと音がして、頭に痛みが走った。

 顔を上げるとと真ん前に昴が立っていた。


「壊れてもまた直せるだろ。」


 昴の手には、ゴムテープで取っ手がきれいにくっついた玩具のカメラがあった。


「アホウめ。何に遠慮してんだよ。まったく。」


 ふ、と昴は晶の開いていた本に目を留めた。


「ヴァンパイアの本ばっかり読むんだね。好きなの?」


 晶は首を横に振った。

「ふーん。」

 昴は頷いた。


「白くてひ弱。お前がヴァンパイアだったら面白いのにな。」


 そこへたまたま騒いでいた男子の一団がやって来た。



「昴!」

「今行く」



 昴はかけて行ってしまった。