夏空とヴァンパイア







「次、北沢くん」

「はい」



 教室。
 先生が指すと昴が立ち上がった。

 一番うしろの席の晶は昴の背中を見ていた。

 昴の後ろ姿はすっきりとした少年の背中で、よく見ると窓から入る風でさらさらの黒髪が一二本靡いていた。


「はい。よく読めてます。次。」


 昴は静かに席に付いた。


「もう少し声を大きく。北沢くんを見習ってハキハキ読みましょう」


 教科書を見ながら、晶は頭が痛くなってきて、薬を飲んでくれば良かったな、と思いながら、朗読を聞いていた。