夏空とヴァンパイア


 
 休み時間になって、生徒たちがパラパラと教室を出ていった。
 その日はいい天気だった。

 教室から庭へ出た晶は、壁に凭れて、体育座りをして花を眺めていた。


「あ、居た居た」


 声がして振り向くと、ガラスのドアを昴が開けた。

 昴は、晶の隣にしゃがんだ。


「よく日向に出てるのに、どうしてそんなに白いの?」


 じろじろと晶を眺める。


「女だからっていうよりは、お前は特別だね」


 ふう、と昴は小さくため息を付く。


「晶、玩具のカメラ、持ってきてやった」


 ぽい、と緑色のカメラを放ってよこしたのを、晶はあやうく取り落としそうになった。


「貸してやる。使いな。それじゃあね」


 それだけ言うと昴は教室に入ってしまった。
 教室から男子の一団が騒ぐ声が聞こえる。

 晶はカメラを手に取って、大事にハンカチに包んだ。